北海道芸術学会第35回例会

■日 時:2020年11月21日(土)13時30分〜16時00分
オンライン(Zoom)による開催 (参加費無料)

■参加方法
会員の方:メーリングリスト記載のURL、ミーティングID、パスコードをご参照ください
会員以外の方、メーリングリストに登録されていない会員の方:https://forms.gle/j3DA4r22KjxDduSx5 よりお申し込みください

■プログラム
13時30分〜14時10分 【研究発表】
中国雲南省の大学との芸術交流―コロナ禍の前に 堀じゅん子(札幌大谷大学)

14時15分〜16時00分  【座談会】
コロナ禍のあとで、あるいは持続的な渦中で―アートの現場から
小田井真美氏(さっぽろ天神山アートスタジオ)
福地大輔氏(北海道立帯広美術館)
樋泉綾子氏(札幌文化芸術交流センター SCARTS)
廣田理紗氏(島根県立石見美術館)
進行:松山聖央(武庫川女子大学生活美学研究所)

問合せ先:北海道芸術学会事務局
(例会担当:北海道大学大学院文学研究院芸術学研究室 谷古宇尚)
〒060-0810 札幌市北区北10条西7丁目
メール:yakou[at]let.hokudai.ac.jp

 

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〔発表・座談会の要旨〕
研究発表:中国雲南省の大学との芸術交流―コロナ禍の前に(堀じゅん子)
昨年12月に中国で発生したとされるCOVID-19の感染拡大が、それまでのグローバルな人の動きを阻んでいるが、直前の11月、中国雲南省の大学と札幌大谷大学との交流が始まり、そのため省都昆明市を訪れた。中国西南端に位置する雲南省は、中国56民族のうち、漢族を含め26民族が暮らす地域として知られており、昆明市は一帯一路の交通ハブとして急速に発展を遂げる大都市である。交流先の雲南大学?池学院は、本学同様芸術学部を擁しており、美術学科では少数民族の美術を現代の生活に活かすデザインの研究も行われていた。本年度の交流事業はすべて実現できなくなったが、コロナ禍直前の中国を訪れたことで、グレートファイアーウォールを通過して伝わる中国の現在も、また欧米メディアから伝わる情報も、それまでとは異なる視点で見えてきた。現在の中国のありのままや、独自の歴史的、文化的背景を理解することは、ポストコロナの世界を築き直していく上で、多くの示唆を与えてくれるかもしれない。

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座談会:コロナ禍のあとで、あるいは持続的な渦中で—アートの現場から
2020年に入ってまもなく私たちを待ち受けていたのは、東京オリンピックに向けて盛り上がりを見せるムードではなく、未知のウイルスCOVID-19によるパンデミックという未曽有の事態だった。「未曽有の」という形容も、もはや聞き飽きた感があるぐらい、毎年どこかで禍は起きており、またある禍を別の禍と比較するような真似は不謹慎かもしれない。けれど、文字どおり世界中に波及し、それでいてはっきりとは姿が見えない脅威という点で、この出来事は少なくとも私たちの同時代においては「未曽有」であり、アートを取り巻く状況にも少なからぬ影響がもたらされた。 
実物に触れるために美術館やギャラリーに足を運び、ときには対話を通じて鑑賞を深め、また道外や海外の他地域とも交流する—これまでアートの現場を成立させてきた営みに、突然、「感染リスク」の烙印が押され、中断や中止に追い込まれていく。徐々に再開の兆しが見えてきた現在でも、マスク、消毒、事前予約、人数制限といった「対策」抜きには、アートの現場は立ち行かなくなってしまった。 
コロナ禍のあとで、あるいは今なお持続的なその渦中で、私たちはどのようにして、再びアートと出会い、アートとともにある生活を構想することができるだろうか。この座談会では、マネジメントの立場からアートの現場に携わる4名のディスカッションを通じて、考えを深めていきたい。